新年を迎え、心機一転新たな気持ちでお仕事に取り組んでいる方も多いと思います。2019年は元号も変わり、変化の多い一年になりそうですね!

 

皆さんはアパレルの接客業界でも最近接客スタイルが徐々に変化が生じていることはご存知でしょうか。今回は「接客の新常識」をまとめたので、是非ご自身の接客スタイルに取り入れ、更にワンステップ上の接客を目指してみてはいかがでしょうか?!

 

接客の新時代?「声かけ不要バッグ」

某セレクトショップが試験導入した「声掛け不要バッグ」。SNSやメディアで拡散され、大きな話題となりました。「声掛け不要バッグ」とは、お客様が手に持つと店員に対して「声掛け不要」の意思を示すことができるバッグです。

 

「声かけがしつこい」、「自分のペースで洋服を選びたい」というような意見を受け導入された「声掛け不要バッグ」ですが、販売業界、消費者ともに賛成派が多いと言われています。しかし一方で、「オンラインではなく店舗で洋服を選びたい」というニーズとはピントがずれているのでは?という販売業界の意見や、「雰囲気的にこのバッグを店舗内で使いにくい!」という消費者の声も上がっています。

 

顧客ニーズをいち早く取り入れ施策を試みたことは素晴らしいことですが、賛否両論あるので一概には「正しい施策だ!」とは言えなさそうですね。

 

大型路面ショップの「接客しない」スタイル

ファストファッションと呼ばれるブランドやショップなどでは、接客をしないスタイルで売り上げを伸ばしています。こちらも強引なセールスがないことや、自分のペースで洋服を選ぶことができることなど、話しかけられるのが苦手という消費者の心を掴んでいるようです。

 

声をかけられたらしっかり回答をしてくれることや、スタッフ数が多いことなどから、気軽にスタッフへ接することができる点も消費者から好感されています。積極的なセールスがない分、入店しやすいという意見もあるようです。

 

ただしファストファッション系のブランドはすでに多くの人が認知しているので、接客をしなくても自然と人が集まる特殊なケースです。多くのアパレルブランドの場合、ブランド認知度をより一層高めていきたいと考えているため、全く模倣できる訳ではないことには注意が必要です。

 

決済の簡素化

最近のアパレル店舗では、QRコード決済やスマホ決済などの簡単決済システムの導入が進んでいます。これらを利用することにより、お客様がお財布を出すことなく、スムーズに決済を進めることができます。また先の例のユニクロでは、大量のレジがありスムーズに会計が進むことなども好感されています。確かにせっかく購入する商品を決めたのに、レジで並んだり、時間がかかるのは想像以上に苦痛ですよね。

 

お客様の決済までの時間を短くすることで、顧客満足度を高めることができるので、是非「レジの効率化」を考えてみてはいかがでしょうか?

 

お客様の「本当のニーズ」を捉えることが最新の接客作法!

今までは積極的に声かけを行い、商品の知識や魅力を伝えることがアパレル店員のあるべき接客の姿だと言われていましたが、ご紹介した例を見ると「接客しないこと」が現代の接客スタイルになりつつあるように思えます。しかし正確には「接客をしない」のではなく、「お客様のニーズにあった接客」を行なっているのです。

 

お客様は「接客されたくない」のではなく、強引な接客をして欲しくないだけであり、ファッションのプロに自分に似合う洋服を選んで欲しいと思っているのです。そして個人差はありますが、良い情報を提供してくれるのであれば話しかけられても嫌な気分にはならない人は多いはずです。ただし、声がけを行うには良くお客様を観察し、タイミングに気をつけて行いましょう。手に取った瞬間に声かけたり、何かお探しですか?などと声をかけるのは言語道断ですね(笑)。些細なお客様の変化を読み取り、より深く「本当の顧客ニーズ」を捉えた接客が、お客様の心を捉えているということではないでしょうか。

 

ブランドの価値や印象を決めるのは、商品と「接客」です。無理に声がけをするのではなく、笑顔と挨拶を心がけ、お客様の本当の要望に懇切丁寧に答え続けることが真の接客であり、お客様の心を掴む現代の接客作法と言えるでしょう。

 

いかがでしたでしょうか。今までの攻める接客とは少し違った観点を持つことができたのではないでしょうか。是非皆さんも「お客様を思いやる接客」をして、素敵な販売員を目指してください。