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CANADA GOOSEの歴史を探ってみた
2024.12.12
朝晩の冷え込みが厳しくなり、外出する際にはダウンを着込まなくてはいけない季節がやってきました。
元来アウトドアシーンの防寒着として重宝されていたダウンジャケット。その高い機能性はもちろん、様々なデザインや形のダウンジャケットが多くのブランドからリリースされています。その中でも、昨今人気となっているブランドの一つが「CANADA GOOSE(カナダグース)」ではないでしょうか。
カナダ発のブランドでもあるCANADA GOOSEはそのハイスペックな機能性と保温性はさることながら、街着としても重宝できるスタイリッシュなデザインが特徴です。だうんじゃけっとといえばアウトドアブランドが中心となって展開されていましたが、高級服飾メーカーとしてのブランドからリリースされるダウンジャケットは高級感でさえ漂う。
今回はそんなCANADA GOOSE(カナダグース)の歴史を深掘りしてみたいと思います。
カナダグースのはじまり
カナダグース社は、1957年首都トロントに創業した老舗ブランドです。その前身はウール素材を使ったベストやレインコート、スノーモービル向けのウェアを専門とした会社でした。 その後、設立者サム・ティックの義理の息子が入社。衣服に大量のダウンを充填できる機械を発明、革新的なスポーツウェアの時代を築き「スノーグース」が設立されました。 1957年から2000年になるまで、様々な商品開発が進行します。まず、極寒の地で活動する人々のデータを収集し、南極でも耐えられるParka(パーカー)を開発。これが「ビッグ・レッド」として長く人々に親しまれました。 1982年には、特注で製造されたパーカーを着た登山家がカナダ人初のエベレスト登頂達成。
創業と初期の歴史(1950年代)
1957年、Canada Gooseは、カナダのトロントでサム・ティール(Sam Tick)によって創業されました。当初は「Metro Sportswear Ltd.」という名前で、主にレインコートや作業服を製造していました。サム・ティールの目標は、極寒の気候に対応する高品質なアウトドア衣料を作ることでした。最初の製品は作業用のジャケットやコートで、特にカナダの極寒地域で働く人々のために設計されていました。
ダウンジャケットの登場と成長(1970年代~1980年代)
1970年代、Canada Gooseは、冷たい気候に適したダウンジャケットを本格的に製造し始めました。これにより、ブランドは厳しい環境でも耐えうる製品を提供するという評価を得ました。
1980年代、ブランド名を「Canada Goose」に変更。これにより、より国際的な認知を目指すようになりました。特に、ダウンジャケット「Expedition Parka」が注目を集め、極寒地でも耐えられる暖かさと機能性を提供する製品として評判を得ます。ここからカナダグースの快進撃が続きます。カナダ人初のエベレスト登頂、犬ぞりレースのマッシャー(操縦者)の世界記録樹立、スキーを使わない単独歩行での南極点到達など、各所でカナダグースのこだわり抜かれたダウンが着用されました。実績を積んでいったのは既存のアイテムに当てはまらず、新たに開発したアイテムもアウトドア専門誌が選ぶ名誉ある賞に輝いた。
国際的な拡大(1990年代~2000年代)
1990年代、Canada Gooseはカナダ国内での評判をさらに広げ、人気が高まります。同時に、極地探検家や科学者たちからの支持を受け、極寒地域での過酷な環境で活躍する衣料としての地位を確立していきます。
2000年代初頭、Canada Gooseは、カナダ国外への展開を本格化させ、特に北米やヨーロッパでの販売を強化。ブランドは、寒冷地での過酷な条件でも効果的に機能するダウンジャケットを求める人々に愛されるようになりました。
高級ブランドへの成長(2010年代~現在)
2010年代、Canada Gooseはファッション業界にも進出し、アウトドアウェアとしての機能性に加え、スタイリッシュなデザインを兼ね備えた製品を提供し始めます。これにより、カジュアルファッションや都市生活を送る人々にも人気が高まりました。また、特に都市部では、ファッションアイコンやセレブリティに愛用されるようになり、ブランドの認知度が急速に拡大しました。特に、映画やテレビドラマに登場することが多く、その影響で若者を中心に人気を集めました。
2013年、Canada Gooseは、**Toronto Stock Exchange(トロント証券取引所)**に上場しました。この上場により、より多くの資本を獲得し、ブランドの国際的な展開を加速させました。
2017年、さらに、アメリカの一部店舗やオンラインショップ、さらには日本や中国市場にも進出し、ブランドはグローバルな存在となりました。
2020年代、現在Canada Gooseは高級アウトドアブランドとして位置づけられ、極寒地の環境に適応するジャケットから、都市型のファッションアイテムまで幅広い製品ラインを展開しています。
Canada Gooseは、寒冷地向けのアウトドアウェアとしてスタートし、世界中で愛される高級ファッションブランドへと成長を遂げました。品質、デザイン、機能性を兼ね備え、現在では極寒の環境でも、都市生活でも活躍するアイテムを提供しているのです。