『皆さんALOHA〜♪』

いよいよ日本にも暑い夏が到来!高い空と降り注ぐ太陽の日差し・・・子供だけでなく、大の大人も心躍りますよね。そんな気候で過ごしていると、ついつい味わいたくなってしまうのが”リゾート気分”。穏やかで澄んだ空気と、ゆったりと感じる時間の流れは、人の心を豊にしてくれます。

 

私たちにとって、馴染み深いリゾート地といえば「ハワイ」ですよね!

昔は”日本人にとっての”リゾート地として人気だったハワイ。今では、多くの歴史と伝統、大自然に魅了された多くの人々が世界中から訪れる、世界的に人気のリゾート地となっています。その昔、島国として固有の民族と固有の文化を持っていたハワイ。様々な歴史や文化だけでなく、芸術や音楽なども多くの人を虜にしています。

ファッション文化もその一つで、『アロハシャツ』は古くから世界中で愛用されてきました。今ではコレクションブランドが独自の柄のアロハシャツをリリースしたりと、”シャツ”という垣根を飛び越えて一つのファッションアイテムとなっています。

 

今回はそのアロハシャツのルーツを紐解くと共に、その魅力を深掘りしてみたいと思います。

 

アロハシャツの歴史

1868年(明治元年)に初めて移民として海を渡って以降、20世紀初頭まで多くの日本人がハワイへと移住しました。開拓民として多くの日本人のほとんどが、サトウキビ畑の労働者やシュガープラントの作業員として働いたと言われています。当時、農園で着ていた作業着が「パラカ(ヨーロッパの船員たちが着ていた開襟シャツ)」と呼ばれる開襟シャツが、日本の木綿絣に似ていることから好んで日本人移住者が愛用しており、持参品であった着物を再利用する際にパラカ風に仕立て直したのが起源と言われています。このパラカシャツが、現在のアロハシャツの原型になったと言われていますが、アロハシャツの発祥には諸説ありますが、歴史的な資料などはなく未だ断定的な説はありません。しかし、「1930年代初頭には、アロハシャツとは「派手な和柄の開襟シャツ」を意味していた」と言われており、この頃にはアロハシャツという呼称で定着していたのではないかと言われております。

 

ハワイのファッション文化を代表するアイテムへ

アロハシャツがハワイを代表するファッションアイテムとなった背景には、”観光地”としてハワイが確立されたことが大きく関わっていると言われています。1927年にサンフランシスコとホノルル間で客船が就航すると、アメリカ本土から多くの観光客がハワイに降り立ちました。戦時中は米軍の要衝として大きく賑わいを見せました。戦後は航空路線の発展もあり、さらに多くの観光客が押し寄せたと言われています。それにあわせて、”お土産”としてのアロハシャツの人気が伸び、やがてアメリカ本土でもハワイブームが起こるようになりました。すると、地元のメーカーや商店だけでなく、アメリカのスポーツウェアメーカーやアウトドアウェアメーカーなどもこぞってアロハシャツを作るようになりました。

 

アロハシャツの柄には、ハワイを象徴する”ダイヤモンドヘッド”や”海と波”、”ハイビスカス”、”ウクレレ”といった、自然や文化をモチーフにして「トロピカル柄」としてデザインされるようになりました。一方、ハワイならではのミックスカルチャーを象徴する和柄は、最初期のアロハシャツやオリエンタルブームが起こった1950年代に多く見られました。

 

それ以外にも、絵柄の配置にも様々な独創的なものが生み出されてきました。時代の変化と進歩に合わせて縫製技術やプリント製法も進歩し、従来のアロハシャツとは違ったデザインなどが生まれました。柄やモチーフデザインはもちろんですが、ボタンや縫い目、素材などの変化もアロハシャツの面白いポイントです。

 

アロハシャツの面白さ

1940年代、世界は第二次世界対戦に突入します。

もちろん、ハワイからも戦地に赴く人は多かったのですが、戦後にアロハシャツ文化はどんどん加速し栄えていくのです。ビーチ沿いの銅像で有名な「デューク・カハナモク」らの影響もあり人気を広めていきます。今では、アロハシャツは単体で販売されていますが、昔は海パン(ショートパンツ)とセットで販売されていました。素材にはレーヨンが使用されていることもあり、地面と接触するパンツは破れやすいため、古いヴィンテージの海パンが見つけることは、現代では至難の技と言われています。

 

ハリウッドの映画で衣装として取り上げられると、瞬く間にお土産として売れていくようになりました。お土産として、アメリカ本土へ持ち帰った人たちが真似してアメリカで生産することで、アメリカ本土産とハワイ産のアロハシャツが生まれていったのです。ハワイ製とアメリカ本土製のアロハシャツの見わけ方の一つは、なんと言っても「柄」です。街や文化的な背景が色濃く反映される柄を見れば、どこで製造されたものかは一目瞭然です。

 

アロハシャツをファッションとして取り入れる

半袖の開襟に加え、サラッとした肌触りのレーヨン素材とくれば着心地は爽やかで風通しが良いのが特徴です。春・夏の時期にサラッと羽織るスタイルが今っぽさを感じますよね。今ではコレクションブランドから独自の柄のアロハシャツを展開するほどですので、自分だけの1枚を見つけるのも良いかもしれません。