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タイ視察で学んだ最新商業施設戦略と接客文化とは?2025年クレセントアイズ海外研修レポート vol.1
2025.06.27
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タイでの研修旅行がもたらした気づき
2025年5月、株式会社クレセントアイズはタイ・バンコクで海外研修旅行を実施。本研修では、現地 の商業施設の視察を通じてタイの小売業やサービス業の実情を学ぶとともに、東南アジア市場の消費動向、接客スタイル、VMD(ビジュアルマーチャンダイジング)の実践例を学ぶ貴重な機会となりました。タイは近年急速な経済発展を遂げており、多くのグローバル企業が進出しています。その中で、どのように現地市場へ 適応し、効果的な運営や販売戦略を実践しているのかを、実際の商業施設を訪れることで体感することができました。
視察地1:ターミナル21|都市型テーマモールの空間演出

2025年5月、ホテル到着後に訪問したターミナル21は、空港をテーマに世界の都市を再現したショッピングモールで、アソーク駅直結という好立地に位置。各フロアが「東京」や「ロンドン」などの都市をテーマにデザインされ、買い物と観光を融合した”空間体験型施設”として高い集客力を誇っていた。
主な学びと特徴
テーマ性のある空間演出:視覚的に楽しめるフロア構成。視覚的に飽きさせない工夫が印象的。たとえば、東京フロアでは 日本食レストランやランジェリーショップ、100円ショップが並び、日本文化に親しみのある現地の人々や観光客に人 気があることが伺えました。テーマ性が明確なことで、単なる買い物ではなく「空間体験」としての価値が提供されて いると感じました。
テナント戦略:国際ブランドとローカル店舗が共存し、価格帯・スタイルの幅広さで多様な客層に対応。
接客・サービス:英語対応可の店舗が多く、明るくフレンドリーな接客が印象的。観光客への配慮が行き届いていると感じました
集客力の理由:SNS映え、ポップアップイベント、アクセスの良さが高い来客数を支えていた。施設内は夜にも関わらず多くの来場者でにぎわっており、特に観光客と若年層が目立ちました。
総括
「空間デザイン×文化体験×多様な価格戦略×柔軟な接客スタイル」が融合し、強力な商業力を創出。日本のモール運営にも応用可能なアイデアが豊富に見られた。特に、ブランドコンセプトの明確さとVMDの工夫が印象的だった。
視察地2:アイコンサイアム|高級感と文化の融合

アイコンサイアムは、チャオプラヤー川沿いにある超大型複合商業施設で、2018年に開業。「タイの奇跡」というコンセプトのもとに作られ、国内外の高級ブランド、カルチャー施設、 飲食店、エンタメ施設を融合させたランドマーク的存在として注目されています。
主な学びと特徴
高級感と規模感:「ICONLUXE」にはエルメスやシャネルなどのハイブランドが並び、日本の「高島屋バンコク店」も出店。圧倒的なスケールと豪華な空間演出が特徴。
タイ文化の再現:地下フロアには地方市場のような水上マーケット風の装飾と店舗が並び、観光客にも現地住民にも好評。
先進的なプロモーション:ARやデジタルサイネージを活用し、限定イベントやブランドコラボでリピーターを創出。
顧客層と集客力:富裕層、観光客、ビジネスマンなど幅広く来店。川沿いの立地とシャトルボートによるアクセスの良さも人気の理由。

総括
「アイコンサイアム」は文化・観光・買い物を融合したモデルであり、日本の地域開発やインバウンド戦略にも応用可能。ブランド力×文化演出×SNS映え×アクセスという全方位の強みが、集客と顧客満足に大きく貢献していると感じられた。
視察地3:マンダリン・オリエンタル・バンコク|真のホスピタリティ

視察者が最も訪問を希望していた「マンダリン・オリエンタル・バンコク」は、1876年創業のアジア最古級のラグジュアリーホテルで、チャオプラヤー川沿いに位置する格式と歴史を兼ね備えた名門ホテルです。
主な学びと特徴
空間と施設設計:クラシックとモダンが融合した洗練された内装で、静かで落ち着いた非日常的な空間を提供。中庭・スパ・川沿いデッキなど充実した施設が整備されていた。
接客・サービスレベル:スタッフの振る舞いは極めて丁寧で、自然な笑顔や細やかな心配りが徹底されており、“気づかせない気づき”を体現。記念撮影や飲み物の提供にも驚きのサービスがあり、言葉が通じなくても安心感が得られた。
顧客層と雰囲気:主に欧米・アジアの富裕層やビジネスエリートが来訪し、穏やかで品格ある時間を楽しむ姿勢が印象的。過剰な演出をせず、自然体で非日常を演出している点が特徴。

学びと気づき
「ラグジュアリー」とは単に高級さではなく、「期待を超える体験」「先回りの配慮」によって生まれる価値であると実感。また、伝統と革新の両立を続ける姿勢に深い学びがあり、自身の今後の接客・指導にも活かしていきたいとの意識が芽生えた。
「タイ視察で学んだ最新商業施設戦略と接客文化とは?2025年クレセントアイズ海外研修レポート vol.2」へ続く