「販売員に向いている人はどんな人なのだろうか」
そんな疑問を抱いている人も多いのではないでしょうか。この疑問は販売員を目指す本人はもちろん、雇用する側や、同じ店舗で働く店長も同様に思うのではないでしょうか。いざ働き出してみると理想と現実のギャップが大きかったり、上手く成果を出すことができなかったりということも多々。
長きにわたり販売の現場で仕事をし、多くの販売員を全国に抱える私たちだからこそ考える、販売員に向いている人をご紹介したいと思います。
人と接することが大前提「コミュニケーション能力」
販売職ではさまざまな人と直接接するため、コミュニケーション力が必ずと言っていいほど求められます。単にキャッチボールとしての会話が楽しくできれば良いわけではありません。商品を販売するには、相手の話にきちんと耳を傾けて要望を聞き出すことがポイントとなります。また、販売職では一度販売すれば終わりではなく、扱う商品によっては、顧お客様と長く良い関係を維持しなければならないことも多くあります。そのため、コミュニケーション能力を持っている人が、販売員として適していると言えるでしょう。
コミュニケーション能力の中でも対話力というものが重要です。お客様と良好な関係を築くための、聞き上手であることや、わかりやすく説明する能力がなければ、売上という成果に結びつけるのが難しいでしょう。また、意外かもしれませんが、非言語コミュニケーションと呼ばれる、ボディランゲージや表情でのコミュニケーション方法を利用して信頼感を与えることも重要です。外国人がコミュニケーションと取るのが上手いなと感じさせられるポイントの一つにこれがあります。
お客様をどのように満足させることができるのか「顧客志向」
ニーズや要望を接客の中で理解し、それに応える姿勢があるかどうかが重要です。
お客様は「何に困っているか」は把握できていても、「何を欲しいのか」は明確でないことが多いもの。また、迷って決められないことも少なくありません。そのようなときに、適切な商品を提案したり決定のアドバイスを行ったりすることも、販売職の重要な役割です。お客様にとって最適なものを提案するとともに、内在している課題を解決し、満足を提供することが重要です。お客様が信頼をおける人材になることこそ、販売職として活躍するうえでとても大切なことではないでしょうか。
新たな知識を取り入れることのできる「柔軟性」
販売の現場では日々商品が入れ替わっていきます。先週あった商品も1週間経てば古い商品になるということもしばしば。販売スタッフは知識の容量に制限を設けず、多角的に商品の知識を取り入れることが重要です。そのためには、柔軟に商品に対する知識を取り入れることのできる人が向いていると言えるでしょう。取り扱う商品やサービスについての深い理解があり、それをお客様に自信を持って説明できるということは、お客様への説得力と信頼へとつながります。ですが、偏った情報のみではお客様に不信感を募らせてしまう可能性もあるので、業界や市場のトレンドを把握し、適切なアドバイスをすることが大切です。
これは多くのお客様を対応する接客業おいて絶対的に必要な「気配り」に通づる部分があります。アパレルや小売店では、困った様子のお客様がいれば声をかけてご要望を伺ったり、商品の減り具合をチェックして補充したりすることも大切です。通常のルーティーン業務以外にも広い視野を持って柔軟に対応することで、より円滑にお客様に信頼感を持っていただけるとともに、店舗内のスタッフ(同僚)とスムーズに業務を行うことができるでしょう。
プロとしての自覚「プロフェッショナリズム」
難しいカタカナ英語ですが、簡単に言えば”プロとしての自覚”です。対応する相手はお客様であり、お客様は決してその道に通じている人ばかりではありません。だからこそ、おもてなしをする販売員にはプロとしてお客様に接する必要があります。
プロの販売員として外見と身だしなみは、常に清潔で整った外見を保ち、接客にふさわしい服装を心がけましょう。ブランドや店舗に相応しいスタイルを維持することは、販売員本人もそうですが、ブランド・店舗への安心感にもつながります。また、プロとしての責任感も重要です。自分自身の店舗での役割をしっかりと理解し、目標に対して真剣に取り組み、お客様の満足度を最優先に考えられるかどうかも大切です。そのためには、誠実さと透明性を持ち合わせることも重要です。信頼を築く為には、お客様に対して誠実であることが信頼関係の構築につながります。商品の特性や価格、条件について正直かつ誠実に説明し、間違った情報を伝えたり、お客様を不安にさせるようなことは避けましょう。
他者との協調による「チームワーク」
人は性格も価値観も皆違うものです。だからこそ、他者を理解し尊重できることで、より良い職場環境や店舗環境を築くことができるのです。
店舗内では「売上」というわかりやす目標が設定されています。全員が共通の目標を持ち、それに向かって協力することで、業務の効率が向上します。その為には、しっかりと役割の分担を行い、各メンバーが自分の役割を理解し、責任を持って業務を遂行することで、スムーズな店舗運営が実現できるのです。また、同じ店舗のスタッフはライバルではなく、仲間です。お客様の満足につながる情報を交換したり、売上データや顧客のフィードバックを共有することで、店舗全体で対応策を講じることができます。また、スタッフそれぞれの強みを理解した上で、メンバーの得意分野を活かしてサポートし合うことで、店舗全体のパフォーマンスが向上につながるでしょう。繁忙期やトラブル発生時に、ついつい目を背けたくなりますが、お互いにサポートし、他人事ではなく、店舗全体でストレスを分担することで、パフォーマンスの低下を防ぐことができます。
販売職は、人と接することが好きで、コミュニケーション能力の高い人や気配りができる人がより活躍できる仕事です。未経験でも求人も多く挑戦しやすい職種ですので、気兼ねなくチャレンジしてみるのが良いでしょう。自分だけの個性を活かして素敵な販売員になってみてください。