同じ売り場、同じ商品、同じ価格帯。それにもかかわらず、売上を作り続ける販売員と、なかなか結果が出ない販売員が存在します。「話し方が上手だから?」「経験が長いから?」そんなことも考えてしまいますが、それも一因ですが、実はそれ以上に重要なのは、日々の立ち振る舞いや考え方の違いなのかもしれません。
その違いとはいったいなんなのでしょうか。そして、その違いを埋めるにはどうしたら良いのでしょうか。
現代の消費者心理や接客スタイルを踏まえながら、「売れる販売員」と「売れない販売員」の決定的な違い6つの視点から解説します。これはアパレル・小売だけに関わらず、サービス業など、あらゆる販売職に共通する内容です。ぜひ参考にしてみてください。
売れる販売員と売れない販売員は何が違うのか?
販売員の仕事は「商品を売ること」だと思われがちですが、実際に売れている人ほど、売ることを目的にしていません。”売れる販売員”は、お客様を理解し、商品やブランドに対する不安を解消する作業を接客でおこなっています。その上で、納得していただき購入していただくというプロセスを意識している人が多いでしょう。
一方、売れない販売員は、商品説明が中心になってしまいます。自分の都合の話が中心となり、購買までを急ぐ傾向が多くみられます。
では、その差を具体的に見ていきましょう。
第一印象を意識しているかどうか
売れる販売員は、第一印象の重要性をよく理解しています。人は、出会って数秒で相手の印象を判断すると言われています。つまり、接客の成否は「最初の一瞬(約3〜7秒)」で大きく左右されるのです。
【売れる販売員の第一印象】
・自然な笑顔
・清潔感のある身だしなみ
・明るく聞き取りやすい声
・適度な距離感
笑顔は「安心していいですよ」という無言のサインです。無理に満面の笑みを作る必要はありませんが、口角を少し上げる意識だけでも印象は大きく変わります。また、身だしなみは、仕事への姿勢をそのまま映します。お客様は自然と「この人、ちゃんとしてそう」=「この店も信頼できそう」と判断しています。
【売れない販売員の第一印象】
・無表情
・声が小さい
・挨拶が雑、またはない
といった点で、無意識にお客様に不安を与えてしまっています。
どんなに商品知識が豊富でも、どんなに提案が上手でも、第一印象で壁を作られてしまうと接客をするのに意味がありません。「お客様からどう見えているか」を意識してみてください。「この人に相談して大丈夫そう」と思ってもらえるかどうかが、すべてのスタートです。
売れる販売員は「聞く力」が圧倒的に高い
売れる販売員ほど、自分から話しすぎません。
その代わりに、「何を探しているのか」「なぜ迷っているのか」を丁寧に聞き出します。
現代のお客様は、商品情報を事前にネットで調べてから来店しています。商品の特性や価格、トレンドなどは、販売員から“教えてもらう必要がない”状態です。
それでも店舗に来る理由はただ一つ。「自分に合うかどうかを一緒に判断してほしい」からです。
売れる販売員は、「何を売るか」よりも「何を求めて来たのか」を最優先で聞いているのです。
“売れない販売員”にありがちな例
・商品説明を一方的に始める
・お客様の話を途中で遮る
・自分のおすすめを押し付ける
現代の消費者は「納得して買いたい」と考えています。そのためには、話す力よりも聞く力が重要なのです。
「どんなものをお探しですか?」「サイズは大丈夫ですか?」という表面的な質問ではなく、「どんな場面で使う予定ですか?」「普段はどんな服装が多いですか?」などライフスタイルやシーンに寄り添った提案を心がけると良いでしょう。
商品ではなく「解決策」を提案する
売れない販売員は、商品そのものを売ろうとします。一方、売れる販売員は、お客様の悩みを解決する手段として商品を提案します。
例えばアパレルであれば、「この商品は今人気で、素材が〜」という商品の特性や商品を中心としたトークだけでなく、「お仕事でも使える服を探しているなら、こちらが一番ストレスなく着られます」と「この商品を買うことで、お客様の生活がどう良くなるのか」をイメージさせるのです。
押し売りをしないが、提案は必ずする
売れる販売員は「しつこくない」ですが、「何もしない」わけではありません。
・タイミングを見て声をかける
・迷っている理由を探る
・選択肢を整理してあげる
といった行動を自然に行っています。
売れない販売員は、
・すぐ引いてしまう
・「また何かあれば…」で終わる
など本来の販売チャンスを逃してしまうことが多くみられます。
売れる販売員は、お客様の背中をそっと押す存在なのです。販売員は”売る人”ではなく”案内役”になることが重要なのです。
自分本位ではなく「お客様ファースト」
売れる販売員は、常に視点が「お客様側」にあります。
・売上目標よりも満足度
・自分の都合よりもお客様のペース
・今日売るよりも、また来てもらうこと
このような意識が、接客の質を大きく変えます。
売上は、信頼の”結果”であるという意識が重要です。目の前にお客様がいる状況で「この人にとって、いま一番良い選択は何か」を基準に行動することを考えましょう。その結果、売上を”追いかけない人”ほど売上がついてくるようになるのです。
「また会いたい」と思われる存在かどうか
最終的に、売れる販売員と売れない販売員を分けるのは、「この人から買いたい」と思われているかどうかです。
売れる販売員は「話しやすい人」という特徴があります。会話の中で、否定をしなかったり、共感をしてくれたりする経験があることで話しやすい人と認識されるようになります。それは、ある意味、”人に好かれる”といった人間的魅力とも言えるでしょう。商品が同じなら、人で選ばれる販売員になることが最大の強みになります。
売れる販売員は「売ろうとしない」
「売れる販売員」と「売れない販売員」の違いは、特別な才能や話術ではありません。売れる販売員は、「売る人」ではなく「選ばれる人」とも言えるでしょう。
これを参考にお客様から選ばれる販売員を目指してみてはいかがでしょうか。