ここ数年、若年層の間でビッグトレンドとなっているキーワードが「韓国」です。そのトレンドはファッションのみならず、フードから美容まで様々です。そのブームの裏側にはK-POPブームがあります。ですが、世界的にブームと言われていてもここまで韓国熱が加熱しているのはやはり日本がダントツでしょう。ファッションに関して言えば、明確ないくつかの理由があります。まず第一に真似しやすいことが挙げられます。日本人と韓国人は背格好や肌の色、髪色などに多くの共通点を持っています。それゆえに取り入れやすく、欧米のモデルが着こなすファッションより身近に感じ、イメージも湧きやすいのでしょう。

 

ガールズクラッシュの世界観

話題の「ガールズクラッシュ」とは、女の子が憧れる女の子像を意味します。このコンセプトで世界的に大きな支持を集めているのがファッション界からも引っ張りだこのガールズグループ”BLACKPINK”と言えるでしょう。ガールズクラッシュはファッションにも適用される言葉で、例えばガールズクラッシュなファッションと表現した場合は媚びることのない自分らしいスタイルを指します。異性からの視線や世間評を意識せず、自分の好きなものを自分らしく着るというマインドが広く共感を得ています。奇しくも世界的にボディ・ポジティブがキーワードとなっている時代に韓国ファッションが人気を得たのには、このマインドも大きく影響しているのではないでしょうか。

 

Y2Kブームと韓国ファッション

韓国ファッションの盛り上がりのひとつにY2Kブームとの強い関係性があります。タイトなトップスにワイドボトムスの組み合わせはK-POPアイドルがよく取り入れており、スポーティーかつヘルシーな肌見せという世界的なY2Kスタイルも両者に共通するキーワードとして存在します。Y2Kファッションの原流である2000年代に日本で若者達に流行っていたスタイルは、当時のブームを知っている世代にとって韓国ファッションが少し懐かしく感じる人も多いのではないでしょうか。

そして、次に韓国ファッションの人気の理由に上がるのが”価格の安さ”でしょう。韓国のファッション商材を取り扱うDHOLICを参考にすると、ワンピースで5000円前後、トップスやボトムスも4000円以下のものが多く、若年層が購入しやすい価格設定となっています。サイズもアジア人に合うように作られているため、試着ができないオンラインショップでの購入のハードルも下がりますね。

 

ファッション界が注視する韓国ブランド

元来、”ブランドの顔”と呼ばれるアンバサダーを務めていたのは主に欧米のモデルや俳優でした。ブロンドヘアーやブルーアイの美女や美男子が憧れの存在でした。ですが、ここ最近はK-POPアーティストをアンバサダーに迎えるハイブランドが急増しています。例えばGUCCIのインターナショナルモデルにNEWJEANSのハニを起用したりなど、その他のChanelやCELINE、PRADAなどがK-POPスターを起用しています。これは、彼らが世界的に影響力を持つという証でもあります。つまり今後の顧客層拡大のためにも若い層にアピールしたいブランドにとっても、ハイブランドの顔となるステータスが手に入るアーティストにとっても、相互利益のある関係と言えるでしょう。また、ファッションに敏感な大人の間では、若者の間で流行っているものとは一線を画す韓国ファッションに着目している人も。アイウェアブランドの「GENTLE MONSTER(ジェントル モンスター)」を中心に、グローバルな広がりを見せておりこれらのブランドは次世代韓国ファッションブランドとして世界からも注目を集めています。

 

 SNSが広げる世界観

前述のようなブームはあくまでも火種であり、それをより大きなものにするものこそがSNSの存在です。中でもinstagramとTikTokの存在感は大きく、韓国内でも”インスタ女子”ならぬSNSのヘビーユーザーが日本以上に存在します。インターネットでの検索が情報源だった数年前とは代わり、SNSを利用して情報を集める傾向がより強くなりました。SNSをどれだけ活用できるかが若年層への重要なアプローチであり、SNSを駆使してムーブメントを起こすことがブームへのきっかけとなります。

例えば、コスメやメイクなどのブームも全ては世界的に情報を発信することのできるinstagramを通じて韓国から世界へ発信されました。そのほかにも、チーズハットクに代表される韓国フードもまたSNSでの流行がきっかけで日本でも一大ムーブメントとなりました。ちなみに以前流行したオルチャンメイクですが、韓国コスメが入手しやすくなったこともあり、こちらも日々アップデートを続けながら定番メイクとして定着。一方で若い男性がメンズメイクに積極的になったのは男性K-POPアーティストの影響だと言われています。

また、K-POPにおいても同様で、新作のミュージックビデオが完成すると、まず最初にアップされるのは従来の横型映像ではなく、instagramのリール動画ようの縦長映像がアップされるのです。SNSで話題喚起をおこなったのちにYoutubeを介して全世界へ楽曲を配信するのです。SNSで瞬く間に情報は拡散され、トレンドニュースにランクインするのです。

 

 

昨今、何かとトレンドインする韓国のブームは第4次韓国ブームと言われており、もはやブームではなく文化として定着した感じがあります。おそらく、これを見たあなたも早かれ遅かれ韓国ブームの波に乗っているのではないでしょうか!