アパレル店舗での販売スタッフの経験も長くなると、「店長」や「副店長」といったキャリアアップが身近になってくるのは、アパレル経験者なら誰しもが知っていることでしょう。しかし、いざ役職に就いたとしても前任のやり方を真似するしかなく、なかなか自分らしく働くことができない・・・なんて方も多いのではないでしょうか。

 

今回は、アパレル店舗でのマネージメントに関するコツをお教えしたく思います。

 

マネージメントに関する基礎的な知識

アパレルショップで働く店長(管理職)が、その能力を磨くためにはマネージメントに関する基礎知識について知っておく必要があるでしょう。まずは、「マネージメント」という言葉の意味と、その能力について確認していきます。

 

− マネジメントの意味とは

マネージメントとは、直訳をすると、「管理」や「経営」という意味になります。つまり、「経営資源の状況を、適正に管理すること」ということもできるでしょう。ちなみに、経営資源とは、ヒト・モノ・カネ・情報などを指します。

 

− マネージメント能力とは

マネージメント能力とは、どのような意味なのでしょうか。一般的には、「人材育成とコスト管理」「売上管理」「目標達成に向けて組織を成長させる能力」などを意味すると言われています。具体的には、専門用語を並べてしまえば「問題解決能力」「管理力」「意思決定力」「ファシリテーション能力」「指導力」などを指すと考えてよいでしょう。つまりは、管理職にはリーダーシップを発揮して、組織を正しい方向に導いていく力が求められるということなのです。

 

そんなマネージメントですが、実際にアパレルショップの店長(管理職)が身に付けたいマネジメント能力とはどういったものなのでしょうか。そして、どのようなマネジメント能力が求められるのでしょうか。アパレルショップの店長が身に付けたいマネージメント能力について、紹介していきたいと思います。

 

店長に身に付けたいマネージメントスキル

スキルその1「コミュニケーション・スキル」

アパレルショップの店長が身に付けたいマネージメント能力の1つにコミュニケーション・スキルがあります。アパレルショップの店長には、自分が意図していることを正確に部下やスタッフに伝えるとったスキルが必要となります。このスキルは店舗内の風通しを良くするだけでなく、部下やスタッフ同士のコミュニケーションを円滑にするということにもつながります。コミュニケーション一つで、店舗の雰囲気が一変したり、実際に売上に大きく好影響を与えたりなど目に見えない測ることのできない効果を生み出すことがあります。

 

スキルその2「接客・販売スキル」

アパレルショップの管理職が身に付けたいマネージメント能力に「接客・販売スキル」があります。アパレルショップの店長は、部下やスタッフから”手本”と思われるような存在でいることが大切になります。例えば、「商品知識が豊富で、提案力がある」や「売場づくりが早くてうまい」など経験に基づくスキルを発揮することが必要となります。これまでの経験や身につけてきたスキルを活かして、店長たらしめる存在感を発揮することが必要です。

 

スキルその3「店舗運営のスキル」

店舗をスムーズに運営する能力は、アパレルショップの店長であれば必ず身につけたいスキルです。これは具体的にいうなら「コストをコントロールするスキル」ということになるでしょう。

例えば・・・「適正在庫の維持」「経費のコントロール」などをできることも、アパレルショップの店長には求められます。これに加えて、アパレルショップの店長には「マーケティングに関するスキル」も求められます。店舗の内側をしっかりと理解し、店舗スタッフが販売をする環境を整えることができるかどうか、そして店舗の販促や宣伝を盛り上げることができるのかということが必要となります。

 

店長としてのマネージメント能力を高めるポイント

実際に、アパレルショップで働く店長がマネージメント能力を高めるためには、どのようなことがポイントになってくるのでしょうか。

 

ポイントその1「ビジョン・目標を共有する」

アパレルショップの店長がマネージメント能力を高めるポイントに「ビジョンを共有する」「目標を明らかにする」ということがあります。

マネージメントをする側には、店長自身が掲げるビジョンや目標を部下やスタッフに認識させることが求められます。定期的にミーティングを開いたり、朝礼でしっかりと場を設けたりなど、何度も伝えるようにしましょう。そうすることで、一人一人が店舗運営に参加しているという意識を持つことができるようになり、一体感を高めやすくなるでしょう。

 

ポイントその2「メンバーのスキルアップ」

アパレルショップの店長がマネージメント能力を高めるポイントの一つに「メンバー(部下やスタッフ)をスキルアップさせる」ことがあります。これも店舗運営する上で非常に大切な要素となります。店長になったら、部下の良いところを見つけ、そこを意識するようにしましょう。そして、メンバーそれぞれの適性を理解した上で、”少し”難しい仕事にチャレンジさせるようにしましょう。少し難しい仕事にチャレンジさせることで、部下にとってもスキルアップのチャンスが広がるとともに、モチベーションが上がりやすくなります。また、実際に部下が行うことができる仕事やできる事が増えると、管理職としての店長の仕事もはかどりやすくなります。

 

ポイントその3「自分の明確な判断軸を持つ」

日々、業務にあたっているとつい忘れてしまい、見失ってしまうので「自分の判断軸」です。これは、自分自身のポリシーや方向性・指針を示すのに最も最適なもので、これを忘れてしまうと困った時に進むべき道を誤ってしまう恐れがあります。具体的には・・・「店舗を運営するルール」や「お客様への接し方」などについて、店舗内で明確な判断軸を持つようにしましょう。一貫したルールさえあれば、部下やスタッフも参考にしやすいでしょう。

 

 

「マネージメント」というものは、そう簡単には出来るものではありません。しかし、自身のスキルアップやキャリアアップにおいては絶対的に必要なものであります。ぜひ、積極的に自身のマネージメントスキルを上げてみてください。