今、世の中は空前のアウトドアブームだ。

2020年から続くコロナ禍において、”非接触”が求められたことから、街から人は消えた。それまでは、生活の中で重要なキーワードとはなっていなかった「ソーシャルディスタンス」という言葉が広まり、今となれば当たり前であり、もはやなんだか古い言葉のようにさえ感じる。

 

いつの日からか、人と人の距離を保ちつつ、広い空間と自然の中で、人と気兼ねなく話すことのできる「アウトドア」がブームを迎えている。自然の中で、友人達と語らうことのできる・・・コロナ禍以前では当たり前のようだったことに、この状況下では価値があるように感じられる。

 

今、アウトドア市場が拡大している。

アウトドア市場が拡大している理由は簡単で、日々の日常で使っている生活道具がもう一式必要になるからだ。そして、各メーカーがその品質の向上と売上拡大に向け日々切磋琢磨している。

 

アウトドア市場の現状

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一般社団法人日本オートキャンプ協会が調査する「オートキャンプ白書2021」によると、2020年のアウトドア市場は縮小傾向にあったことが明らかとなりました。具体的な調査結果としては、1年間に1回以上キャンプをした人の数は2018年には850万人、2019年は860万人と順調に推移していたものの、2020年では610万人と前年比約30%減という動きがみられました。新型コロナウイルスによって、消費者は外出を控える生活をすることや密を避けたキャンプ場の運営などが必要とされたことが影響しているのでしょう。また、2020年の国内アウトドア市場規模は、新型コロナウイルス感染症により販売金額ベースで4,895億2,000万円と前年比94.7%(予測値)ながらも、今後堅調な伸びが見込まれています。コロナ禍で国内旅行が厳しくなっている状況を考慮すると、30%減に抑えられた結果は消費者に需要があったこと表しています。

アウトドア市場と同様にキャンプの利用者は減少傾向にありましたが、キャンプに行く回数を調査したところ、2020年は平均4.6回で2019年より0.2回増えています。さらに1年でキャンプ場に泊まった泊数を調査すると、6.1泊と2019年から0.3泊増加しました。このことからも、アウトドア市場の中でもキャンプへの人気が高まっていることがわかります。キャンプの人気を後押しした要因としては、一人で楽しむ「ソロキャンプ」や自宅でできる「おうちキャンプ」、アウトドアウェアを普段着にする流行などが考えられます。

特におうちキャンプはコロナ禍でも比較的安全に楽しめるレジャーとして注目を集め、堅調な伸びを示している。こうしたキャンプブームは、アウトドア市場の活況だけでなく地域の活性化につながるとの見方もあります。

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<参考元>https://lab.kutikomi.com/news/2021/07/27/outdoorshinkisannyu/#outdoorshinkisannyu-2-1

 

調査によると、アウトドア市場が拡大していることがわかるだろう。では、アウトドア自体が盛り上がりを見せているとして、アウトドアグッズの市場と規模がどうなっているだろう。

矢野経済研究所の2020年の国内アウトドア市場査によると、2019年の市場規模は約51694000万円で18年比3.2%拡大。また、スポーツ用品の中でもアウトドア用品市場の成長が目立ち、矢野経済研究所の2021年の国内スポーツ用品調査によると、2019年のアウトドア用品の出荷額は2018年比8.8%増の25609000万円で、コロナ下で2020年は2.4%減の24997000万円となるものの、ゴルフ用品を初めてする見込みと想定されている。2021年には前年比2.6%増の25638000万円と再び拡大が予測されている。

また、成長市場を狙ってアウトドア用品市場への参入も相次いでいるのも事実だ。ノースフェイスなどのアウトドアブランドを扱うゴールドウインは2020年に初のキャンプ用品ブランド「フィルデンスシリーズ」を投入し、クーラーボックスやテントなどをそろえた。また、作業服大手のワークマンも2021年にプライベートブランド(PB)の折り畳み式の椅子やアルミのテーブルなどを発売した。

 

アウトドアアパレル市場

アウトドアアパレルも市場が活発だ。近年、普段着として着用するライフスタイル需要の拡大により、アウトドアウェアの市場の高成長が続いてきた。登山やトレッキングなど、アウトドア環境で求められる高い機能性を有したウエアは都市生活向けに使用しても快適で、スポーツ量販店やファッションセレクトショップなどでの展開が強化されている。特に認知度が高い「ザ・ノース・フェイス(TNF)」や「パタゴニア」といった有力ブランドは、カジュアルファッションシーンでの人気も高く、ブランドを代表するアイコニックな定番のアパレルは品薄状態が続く。こうしたブランドのアイテムはアウトドア専門店やスポーツ量販店だけでなく、カジュアルセレクトショップにも広がりを見せており、消費者との接点の増加がさらにブランド認知を高めるという好循環が生まれているのだ。

こうした背景から拡大を続けてきたアウトドアウエアの市場であるが、ほかのトレーニングウェアやゴルフウェアと同様、2020年は新型コロナウイルスの影響を避けられず、マイナス成長を見せたと言われている。ただ、それでもアウトドアブランドに対する関心は依然として高い。また、コロナ禍においてキャンプに出掛けるというアウトドア消費者の需要にも支えられた。各種スポーツシーンの場が失われて需要縮小が著しいトレーニングウエアと比較すると、アウドドアウエア市場は一般層へ向けたファン獲得ができているから今後の市場も拡大を見せそうだ。

 

 

2020年から続く、コロナとの生活は未だ終わりを見せようとしない。コロナ禍になり人々の生活は変化を見せた。もちろん、それはファッション業界にも大きな変化をもたらしたのは言うまでもないだろう。新たな視点でファッション業界を眺めてみてもいいのかもしれない。