アパレルスタッフが愛用する「チャンピオン」スウェットの魅力とは

2020.11.21

スウェットやパーカーのブランドと言われて思いつくブランドにはどんなものがあるでしょうか。そう聞かれて思いつくブランドの一つに、アパレル関係者なら一度は袖を通したことがあるのが「チャンピオン(Champion)」を想像するのではないでしょうか。アメリカ発のブランドであるチャンピオンの歴史は古く、約100年前と言われております。

 

今では、直営店ではもちろん、セレクトショップでも”今もの(現在、製造されていて販売されているもの)”を購入することもでき、とても身近なアイテムとなっています。しかし、歴史上、年代ごとにさまざまな特徴や違いを持つチャンピオンのアイテムは、その特性ごとで希少価値が高く、数十万円で取引されるアイテムも存在します。

 

そんなチャンピオンのアイテムにはどのような歴史があり、どのように変貌を遂げてきたのかご紹介したいと思います。

 

スポーツウェアブランドの誕生

チャンピオン(Champion)とは、1919年にチャンピオンの前身となるニッカーポッカー・ニッティングカンパニーをスタートさせたことから歴史が始まったアメリカのスポーツウェアブランドです。その後、チャンピオン・ニッティング・ミルズ社として高いクオリティのセーターの製造・販売事業を始め、当初チャンピオンのセーターを販売していました。

その後、屋外労働者の防寒用に開発したウール下着が米軍の運連用ウェアに採用され、現在のスウェットの原型が出来上がると、その高い品質からアンダーウェアとしてスウェットのオーダーが増えます。このスウェットのオーダーにより、人気が加速し、米軍の訓練用ウェアや大学のアスレチックウェアとして注目されるようになり、学生などにも人気が広がります。1920年代後半には大学生アスリートたちが愛用するスウェットシャツが学生たちのカジュアルウェアとして注目され、キャンパスライフのみならず、アメリカの若者の間に急速に浸透していったのです。中でも、1924年にミシガン大学がスポーツ部のウォーミングアップ用ウェアとしてチャンピオンのスウェットを購入したことから大きく広がりました。

 

スウェットの代名詞「チャンピオン」

チャンピオンの代表的アイテムと言えば、スウェットであり、米軍の訓練用ウェアとして採用されるほど厳しいMILスペック基準を満たした高いクオリティのスウェットとして知られています。そのクオリティにより過酷な環境にも十分に耐えることができ、保温性も耐久性も兼ね備えた機能性抜群のスウェットは長年変わらず愛用されている大きな理由と言えるでしょう。

 

 

名作「リバースウィーブ」の誕生

1934年、サム・フリードランドによって”リバースウィーブ”が誕生する。 ニューヨーク州ロチェスターでアスリートのためのウェアとして誕生以来、時を超え、世代を超えて愛され続けている不朽の名作、リバースウィーブ。スウェットシャツを洗うと縮むというクレームを解決するために、縦に織っていたコットン生地を横向きに使用する事で縮みを防いだ、画期的な発明でありました。サイドリブが横縮み防止と動きやすさを実現し、キング・オブ・スウェットシャツと言われる由縁となりました。その後、チャンピオンは大学のブックストア(生協)においてTシャツの販売も開始したと言われています。

 

 

カレッジウェアとしての台頭

1950年代に入ると、シンプルで定番的なアイテムを好む学生たちに、大学名をプリントしたスウェットシャツが大流行を見せました。同時に、襟ぐりから袖下に斜めのステッチが入っているラグランスリーブが登場し、カレッジスウェットの主流となりました。チャンピオンの製品もアスレチックラインとキャンパスラインに別れて発展を遂げるきっかけともなりました。

 

 

1960年代に入り、スウェットシャツのタグにプリントされていた、ランナーのマークがチャンピオンの頭文字である「C」の中に登場。当時のブックストア(現代でいう生協や売店)にはスクールカラーのTシャツやスウェットシャツしかなかったが、この頃からさまざまなカラーを展開しはじめました。コットン100%だったスウェットシャツに化学繊維が使われ始めるなど大きな変化が現れ、そのカラーやサイズ・種類も豊富になった時期とも言われています。

 

タグの違いでわかる製造年代

チャンピオンの”リバースウィーブ”には、主に襟元のタグから、その年代を判別することができます。

 

 

その1 【単色タグ】※1970~80年代ころ製造モデル

リバースウィーブの歴史の中で、最も古いタグデザインが、この通称「単色タグ」と言われているものです。この単色タグには、5色の種類があり、「単色タグ」は、1970年代~80年代に製造されたもので、その希少さからマニアの中でも大人気のタグです。この単色タグには、前期型と後期型があり、製造された時期によって素材やタグに使われる色が変わります。

 

【前期型】 年代 : 1970年~76年ころ製造モデル

素材: コットン90%・ポリエステル10%の混紡素材を使用

 

【後期型】 年代: 1976年~81年ころ製造モデル

素材: コットン90%・アクリル10%の混紡素材を使用

 

大きな違いこそありませんが、ポリエステルに比べ、保温力や肌触り、着色しやすい点などがより優れるアクリル素材へとに変遷していきました。

 

 

その2 【トリコタグ】※1980年代ころ製造モデル

1980年代頃より、通称「トリコタグ」と呼ばれるトリコロールカラーでデザインされたタグが採用されるようになります。現行のリバースウィーブのタグについても、トリコロールカラーを採用していますが、「トリコタグ」と呼ばれるのは、この80年代のものだけです。トリコタグは、前期型、中期型、後期型に分けられます。

 

【前期型】 年代: 1981年~83年ころ製造モデル

素材: コットン82%・アクリル12%・レーヨン6%の混紡素材を使用

 

【中期型】 年代: 1983年~85年ころ製造モデル

素材: コットン90%・アクリル10%の混紡素材を使用

 

【後期型】 年代: 1985年~90年ころ製造モデル

素材: コットン89%・アクリル8%・レーヨン3%の混紡素材を使用

 

この時期から、「単色タグ」で見られたアクリル素材に加えて、レーヨン素材が使用され始めます。レーヨン素材は、水に弱く、しわになりやいという弱点がありますが、吸湿性、放湿性に優れていて、独特の光沢感が魅力的な素材で、当時採用されていました。

 

その3 【刺繍タグ】※1990年代ころ製造モデル

1990年代からのタグより、通称「刺繍タグ」に変わりました。この「刺繍タグ」も前期型、後期型に分類がされます。

 

【前期型】 年代: 1990年代前半期製造モデル

素材: コットン89%・アクリル8%・レーヨン3%の混紡素材を使用

 

【後期型】 年代: 1990年代後半期製造モデル

素材: コットン90%・アクリル10%の混紡素材を使用

 

また、この「刺繍タグ」期、90年代後期型の頃より、生産国が「アメリカ製」から「メキシコ製」に替わります。

 

 

このようにタグのデザインの変化と共に、素材と性能を変えながら、現在の形へと変化を遂げてきました。

その時代に合わせて、様々な背景を持つチャンピオンのスウェットは、「キング・オブ・スウェット」と呼ばれるに値する理由がここにあります。あなたの持っているチャンピオンのスウェットやパーカーはどのような物・いつの時代の物でしょうか。明日から、少し違った角度でチャンピオンのアイテムを眺めてみてはいかがでしょうか。

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