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最古から続くファッション!?シャツの歴史を紐解いてみた
2020.10.10
カジュアルシーンからフォーマルシーン、ワークウェアなど様々なシーンで着用されている『シャツ』。その形や種類は数多くあり、その歴史も非常に古いものです。今回はファッションアイテムとして重宝されてきたシャツの歴史を紐解いてみたいと思います。
シャツの起源
歴史的に見るとシャツの起源は、古代ローマで着用されていたチュニックといわれています。二枚の布を重ねて、内側に重ねたチュニックを着用していたと言われています。これは頭から被るようなスリット付きの布切れで、シーザーや元老院が着ていた衣装のこというが、貴族は丈長、一般は膝丈で、帯を巻いて着用。後に単純な形式の袖がつき、装飾的なものがあまりないまま中世まで受け継がれました。
シュミーズやブレーは普通リンネル製(麻ないし亜麻製)でした。一口にリンネル製といっても、リンネルの語源となった亜麻と、それより下級の繊維と見なされていた麻では価値が大きくことなり、亜麻布は麻布のおよそ4倍から6倍の価値がありました。毛織物製の上着から肌を守るため、貧しい人はごわごわする麻のシュミーズで我慢しなければなりませんでしたが、裕福な人は全ての下着を亜麻製で揃えることができました。その麻布でさえ当時の感覚からして安価なものであったわけではなく、貧しい農民は換えのシュミーズを持つ余裕がないこともあったようです。
ヨーロッパ中世貴族の正装として
ヨーロッパ中世期には、衣服の男女差が明確になりはじめます。男子の外衣の丈が短くなり、袖口がつめられるとシャツも短くなり、袖口が細くなっていきました。 15〜16世紀には折り返った衿を総称する”ラバ”が流行しました。この衿型はネクタイの前身である”クラバット”の出現によりすたれるまで続くこととなります。
16~17世紀の宮廷中心時代になると、シャツも「ファッショナブル」な時代が展開されます。首をおおってあごまで達したハイネックともいえる襟に、ラフと呼ばれる車型のひだ襟のついたものがスペイン宮廷に現れ、シャツの装飾化が貴族階級の間で流行した。しかしこの型は食事の時に非常に不便だったため、後に下あごの部分があいた扇形のものへと変わっていきました。
シャツの栄華
19世紀はシャツの歴史において、もっとも多種多様な襟が流行した時代と言われています。19世紀初頭には中世に見られた大げさな装飾は次第に姿を消し、シャツは簡素化へと向かいます。一番大きな変化は、立ち襟から折り襟、つまり現代で一般的に着用されている襟のデザインが生まれたことです。1850年頃にはグラッドストンカラーという立ち襟が流行り、1854年頃には顔が半分隠れるような極端に高い立ち襟、オールラウンドカラーが流行。世紀末になって3インチぐらいの常識的な高さに戻り、その頃からさまざまなカラースタイルが生まれました。代表的なものに、ドッグカラー、スタンドカラー、シェイクスピアカラー、ピカデリーカラー、ダックスカラーなど様々で、特にダックスカラーは、現在のウイングカラーとよく似ており、現代の主流である「折り襟」の原形が誕生したのは19世紀であると言われています。
現代のシャツスタイル
20世紀に入ると、シャツの多様化が著しく進展し、よりファッションカルチャーと密接な関係となっていきます。ボタンダウンやピンホール等のシャツが台頭し、現代のシャツの種類の大部分は20世紀以降に誕生しました。現代のシャツ文化の中で主流となっている物をいくつか紹介します。
ボタンダウンシャツ(BDシャツ)
1900年頃に登場したボタンダウンシャツは スポーティーなデザインがアイビーリーガーに好まれ、アメリカで一つのスタイルを確立しました。後年、その人気はアメリカからヨーロッパ、日本の学生にまで広がり、現在では立派にドレスシヤツとしての役割を果たすようになりました。
クレリックシャツ
ラウンドカラーのクレリックシャツは1920年代のロンドン紳士たちの間で大流行しました。英国調のクラシックイメージを表現するには最適なアイテムです。ブリティッシュトラディショナルな雰囲気を持つシャツです。
オックスフォードシャツ
形ではありませんが、アメリカントラディショナルで決めるならオックスフォードシャツでしょう。ボタンダウンシャツの代表的な素材で、通気性の良い夏向きの生地。タテ・ヨコ共に綿の糸を2本ずつ引き揃えた平織りの薄地織物です。柔らかく美しい光沢があり、ふっくらした風合いがあり、シワも付きにくく、しかも丈夫なので、スポーツウェアーにも用いられました。
その歴史も古く、様々な生活様式に合わせて変化してきたシャツは、ファッションカルチャーそのものの様な気がします。今ではヴィンテージとして古い時代のシャツも手に入れることができる様になりました。今一度、クローゼットのシャツを引っ張り出してシャツスタイルを楽しんでみてもいいかもしれません。