知ってて損しないTシャツの歴史

2020.10.08

普段から当たり前に着ているTシャツ。いまや普段の生活で着ることはもちろん、その時代のトレンドを象徴するカルチャーとして愛され、様々なシーンで着用されている。ファッションカルチャーを語る上では絶対に外すことのできないアイテムとなっていると言っても過言ではないだろう。

 

しかし、いつからファッションの一部として、実用品として定着したのだろうか。その起源を知っている人は多くはないでしょう。

 

 

Tシャツの起源と衣類としての認知

Tシャツの始まりは19世紀、イギリスまたはドイツが始まりと言われています。Tシャツと聞くとアメリカを連想される方も多いかと思いますが、イギリスやドイツなどヨーロッパが発祥との諸説が有力で、はじめはアンダーウェアとして誕生したと言われています。1939~1945年には米国陸軍の公式肌着として採用され、フランス海軍の白色木綿下着をアメリカ兵が気に入って持ち帰り、世界規模で普及したと言われています。

 

アメリカ陸軍(ミリタリー)と物資としてのTシャツ

ヨーロッパで生まれたとされるTシャツは、その後、アメリカ軍兵士が着用する公式の肌着として採用されたことがきっかけで普及します。第一次世界大戦中、アメリカ軍兵士はウール素材で作られた肌着を使用していました。ウール素材で作られた当時の肌着は、生地が分厚く重量もあったため、夏の暑い時期に着る肌着としては満足のいくものではありませんでした。

一方、すでに綿素材の肌着が普及していたヨーロッパでは、兵士の制服に夏の暑い日でも快適に過ごせる綿素材の肌着を採用していました。ヨーロッパ軍兵士が着用する快適な素材を目にしたアメリカ軍兵士は、彼らが着用していた綿素材の肌着を国に持ち帰り、それを似た綿素材の肌着を開発します。アメリカ軍はその後、綿素材の肌着を兵士の制服として正式に採用しています。 ヨーロッパ軍兵士が着用する肌着を真似て作らえたアメリカ軍兵士の肌着は、今日まで続くTシャツのもととなった型と考えられていて、これがきっかけとなりTシャツが一般的に広く普及し始めます。

 

ファッションアイテムとしての普及

第1次世界大戦当初、Tシャツはトップスの中に着用する肌着としての存在でした。当時は、肌着としてのTシャツをトップスとして着ることがまだ恥ずかしいことと捉えられていました。インナーとして定着していたTシャツが、徐々にトップスとして着用しても恥ずかしくないと認識されるようになったのは、アメリカ海軍が帰還し、トップスとして着ていたことがきっかけと考えられています。

 

海軍は、水に濡れることが多いため、濡れても動きやすく、乾きやすいTシャツはとても重宝されていたのです。アメリカ軍兵士が帰還すると、海軍たちが着用していた綿素材のTシャツが大衆にも急速に広まります。帰還した兵士が着用していたTシャツは、伸縮性はもちろん、吸水性や肌触りに優れていたため、トップスとして着用しても恥ずかしくない衣服として徐々に一般にも定着していきました。

 

第2次世界大戦後、Tシャツは民間にも普及していきます。戦後、復員学生を中心に、Tシャツ一枚で着ることが流行りTシャツがトップスとして定着しました。軍隊の象徴として見られていたTシャツは、戦後は帰ってきた若い兵隊たちが日常でもTシャツを着こなしたことによって一般的にも広くTシャツが普及し、さらには国家の要人まで広がりました。また、当時のアメリカ社会の「社会の階層」の差を問わず、アメリカの開放を示す、「民主主義のシンボル」として更にTシャツは定着していきました。

 

様々な用途で使用されるようになったプリントTシャツ

アメリカ軍兵士が着用したことがきっかけで普及したTシャツは、その動きやすさから労働者や教育機関でも作業着や運動着として人気が高まります。アメリカの大学では、動きやすく快適なTシャツを体育の授業の運動着として採用し、生徒に貸し出すようになります。そんな時に生まれたのが、数字や校章などのロゴデザインを生地に直接プリントしたプリントTシャツです。

 

アメリカ国民の多くがTシャツを着るようになった1939年頃には、映画の宣伝用としてプリントTシャツが採用されます。文字やイラストがプリントされたプリントTシャツは、それ自体がメッセージを伝えるアイテムとなるため、宣伝や選挙運動などにも活用されていました。その後、60年頃から”バンドTシャツ”として人気が加速しました。そのムーブメントの筆頭が、ヒッピー文化の代表格とされるアメリカのグレイトフルデッドです。その後、グレイトフルデッドに限らず、バンドオリジナルのバンドTシャツをメンバー全員が着て連帯感や結束力を高めようとするバンドが多く、プリントTシャツが世界的に広まるきっかけとなりました。

 

 

いかがでしたでしょうか。これを読むと、Tシャツは時代ごとに役割をかえて私たちの生活に定着してきたことがわかるでしょう。Tシャツは衣服の中でもとてもシンプルなアイテムですが、今回紹介したような歴史背景や、それぞれに込められた想いを知ることで、これまで以上に魅力を感じてもっともっとTシャツが好きになるはずです。Tシャツライフをエンジョイしましょう。

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