最近話題の「D to C」ビジネスとは?

2020.09.08

デジタル技術の進歩と共に、商品の現場が”オフライン”から”オンライン”に移っているのは、若者のみならず、現代を生きる人であれば誰もが周知の事実だろう。そして、それに合わせて商品の形やビジネスの形態も変化を見せている。

 

「通販」においては、カートフォームを持つECプラットフォームをベースに、SNSを通じて集客を行い商品の販売を行うメーカーやブランドも非常に増えてきている。B to C(B to C:Business to Consumer)が中心だったファッション業界も、今では「D to C(Direct-to-Consumer)」という新たなビジネスの形が台頭してきている。

 

今回は、その「D to C」というモデルにおけるファッションビジネスを読み解きたいと思う。

「D to C」とは?

D to Cは、製造から販売まで一貫して自社で行うという点においてはSPA(Speciality store retailer of Private label Apparel)と類似したビジネスモデルと言えるが、SPAとの最も大きな違いは、店舗での販売を行わずに自社運営のECサイトで顧客にダイレクトに販売するビジネスモデルからスタートしているということだろう。要するに、メーカーが、商品を仲介業者や店頭に商品を出すことなく、ECサイトを構築し、直接ユーザーに販売するビジネスモデルのことである。メリットとしては、仲介業者を挟むことなく企画から製造・販売までをすべて自らで行うことで、無駄なコストを排除し、より価値の高い商品の提供を可能にしているという点だろう。実店舗を持たなければ固定費も削減でき、商品価格を抑えられるということもある。

 

このD to Cはアメリカのスタートアップ企業が、SNSやブログでアピールすることで大成功したビジネスモデルで、日本企業でも現在注目されているビジネスモデルです。D to Cというビジネスモデルが成功しはじめた理由はSNSによって、企業が広告を使わずに数十万人以上のフォロワーと直接コミュニケーションをとれる時代になったため、店舗販売だけに頼る必要がなくなり、企業がユーザーに直接コミュニケーションをとる方法が確立したことによると考えられている。

 

SNSによるブランディング

流行りのビジネスだからといって、当然ながら安いだけで売れるわけではない。とくにミレニアルといわれる20代前後の層は、背景のストーリーや品質などに納得したものを購入したいと考える傾向にある。商社や店舗の力を借りずにブランドを確立していくためには、自社で宣伝する努力が必要なのだ。そこで重要なキーワードとして”SNS”が登場する。

 

ミレニアル世代に絶大な人気を誇るNY発のコスメブランド Glossier(グロッシアー)もD to Cの成功事例としてインターネット業界でも知られている。創業者のエミリー・ワイス氏は、有名ファッション誌でのスタイリングアシスタント経験を生かした美容ブログを開設し、ブログ上で読者と交流するうちに、読者の声を反映したコスメをつくろうと思い立ち、2014年にGlossierを設立した。Glossierは当初からSNSを徹底活用し多くのファンを獲得した。いまや、アーティスティックな写真が並ぶInstagramは1,800万人のフォロワーを持ち、YouTubeは13万8,000人のチャンネル登録者数を誇る(いずれも2019年3月時点)。またGlossierはユーザーとのコミュニケーションも欠かさない。Instagram一つとっても日々登録されるユーザーのコメントに密にリプライしているし、Glossierのハッシュタグがついた投稿にもコメントを返していく。トータルでのSNS戦略がファンの心を掴んでいるのだろう。

 

台頭するD to C

最近では、顧客との接点の拡大を目的に、D to Cブランドがリアル店舗を展開するケースも増えてきています。D to Cブランドの店舗の役割は、体験の提供であり、店舗に行った場合でも購買プロセスはオンライン上で行うのも特徴だ。インフルエンサーをディレクターに迎え、ファッションブランドを立ち上げると、そのブランドのSNSフォロワーは数万人規模にもなる。そして、そのブランドのオンラインストアでの売上げを伸ばし、話題になったところでポップアップショップを中心に、全国へ販路を広げたのち、実店舗を構え、さらなるブランディングを行っていく。

昨今人気のレディースファッションブランドにはインフルエンサーがディレクターを務めるブランドも多く、”アイテム”そのもの以上に、”ブランド”に付随する価値を重要視している傾向が回見えるのではないだろうか。

 

 

混沌とするファッション業界に風穴を開けたように思えるD to Cという新たなファッションビジネス。それがもたらす光はどのような道を作り出すのだろうか。今後の展開から目が離せない。

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