2020年アパレル業界にもたらされた暗い影

2020.05.27

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2020年4月、新型コロナウイルスによってアパレル 業界に暗い影がもたらされた。政府からの緊急事態宣言により、全国百貨店やショッピングモールをはじめ、商業施設、スポーツ関連施設、娯楽施設などが相次いで休業となった。多くの企業においても外出自粛を推進し、リモートワーク(在宅ワーク)を取り入れるケースが多くみられた。平日には、今までの”通勤ラッシュ”といった姿は消え、オフィス街は閑散とした雰囲気に包まれた。また、休日にお出かけを楽しむ人々の姿さえも見られなくなった。

 

欧米諸国では、日本よりも先に「ロックダウン」と呼ばれる外出禁止令が発令され、街は静まり返っていた。外出されも禁止されていることもあり、街から人が消え、ゴーストタウンと化していた。経済へのダメージという事を考えれば、言うまでもないだろう。日本における、緊急事態宣言による経済ダメージも非常に大きな物となった、そして、その余波はアパレル 業界に深刻な暗い影をもたらした。

 

アメリカ大手アパレルメーカーの破綻

日本でも馴染みのある、アメリカ大手アパレルメーカーJ.CREW(J.クルー)は、コロナウイルスによる経済ダメージの影響を受け、5月4日に破産法を申請した。もちろん、新型コロナ危機による経済ダメージだけが破綻の要因ではないが、新型コロナ危機が追い討ちをかけた形となった。

 

また、ブランドだけでなく大手百貨店の「ニーマン マーカス グループ」も経営破綻へ追い込まれた。ニーマン マーカス グループはハワイ・フロリダを含む全米に平均店舗面積1万2500平方メートルのハイファッションデパート「ニーマン・マーカス(NEIMAN MARCUS)」43店舗、NYセントラルパークサウスにハイファッションストアの「バーグドルフグッドマン(BERGDOLF GOODMAN)」2館(計2万9360平方メートル)を展開し、ピークの15年7月期には51億ドルを売り上げていた。直近19年7月期の46億2000万ドルでの売上を記録していた。そのような大規模な売上規模を誇る百貨店であっても、この危機を乗り越えることはできなかった。

 

新型コロナによる経済ダメージが続くようであれば、経済大国であるアメリカのアパレル業界において、今までに経験したことのない連鎖的な倒産や事業規模縮小が生じる可能性すらもある。

 

日本国内のアパレル経済事情

国内の大手アパレル各社も欧米諸国同様に新型コロナウイルスによって深刻なダメージを受けている。緊急事態宣言をきっかけに謳われた「外出自粛」による百貨店やショッピングセンターの休業は小売業を営む事業者にとっては致命的だ。

 

「大手アパレルメーカーのオンワードホールディングス、TSIホールディングス、三陽商会の3月の店舗売上高は、前年同月に比べて約3~4割も落ち込んだ。(このレポートはWWDジャパン2020年4月27日&5月4日号からの抜粋です)」

 

実店舗での早急な売上回復と、ダメージの軽減は容易ではなく、今後も不透明な状況が続くことが見込まれる。

上場企業初のコロナ倒産に衝撃が走ったのも記憶に新しい。東証1部上場のアパレル大手「レナウン」が経営破綻したのだ。負債総額は約138億円と見込まれており、2019年12月期に2期連続の赤字となっていたところにコロナ危機が直撃した。百貨店の休業で衣料品の販売が激減し、資金繰りが行き詰まり、自力再建を断念した形となった。日本においても、アパレル業界の大企業にも波及したコロナ倒産。拡大しない事を祈るばかりだ。

 

小売業界で更に進むデジタル化

このタイミングで拍車がかかっているのが、小売業のデジタル化だ。以前より、「インターネット通販」の需要は拡大していたが、今回の危機により更なる必要性が生まれた。今後もこのデジタル化の流れは強くなることが考えられる。いち早く取り組んだ企業では、今回の危機による経済ダメージを最小化することのできているケースもあることから、需要は高まることが予想される。

 

 

新型コロナウイルスによる経済ダメージは特定の業種だけでなく、様々なところでダメージを与えている。この誰もが経験したことのない危機を、日本全体・世界全体で手を取り合うことで乗り越える以外、脱出方法はないのではないだろうか。

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