都内では気温が30度を超える日が増えてきました。日中、外にいると「暑いな・・・」と感じる人も多いのではないでしょうか。

いよいよ本格的な夏が到来!ファッションの世界でも夏物アイテムに目を向けている人も多いはず!今年の夏のトレンドファッションにまつわる”キーワード”とそれにまつわるストーリーをご紹介します。

 

ただ単純におしゃれで可愛いだけでない世界観がファッションには存在しており、社会情勢や世の中の世相などが敏感に反映されています。

ロサンゼルスでの山火事など気候危機や環境意識はより強さを増しています。また、Z世代&SNS文化といった今までと違ったメディアの影響力が力を増しており、若者への影響力は年々強まっています。不確実な社会情勢への反応も大きく関心を集めています。一方で、懐古的な思想も出てきており、デジタルとアナログの共存をテーマに掲げるブランドもちらほら。

 

トレンドその1 サステナブル&エシカル系

キーワード「エコ・ミニマリズム」

気候変動への関心が高まり、「物を持ちすぎない」「環境に優しい」価値観が広がっています。ファッションも“静かな贅沢(quiet luxury)”へシフト中。街中でよく見かけるキーワードがファッションの世界にも用いられるように。

 

キーワード「リサイクルファッション」

SDGsのワードが叫ばれるようになって以来、廃棄衣料の増加、ファストファッション批判などがヨーロッパを中心に起きています。Z世代を中心に「買うより直す」「リメイクする」といったトレンドが新しい”クール”になっています。

 

キーワード「ローカルメイド」

パンデミック以降、地元経済の支援や過剰なグローバル流通の見直しが起き、地域ブランドや職人技への回帰が起こっています。ハイテクで洗練された物だけを好むのではなく、バックストーリーやハンドメイドといった人の熱の伝わる物への回帰が見られます。

 

 

トレンドその2 デザイン・スタイル系

キーワード「テック・テーラリング」

リモートワークの浸透とAI時代への移行で、「スマートで機能的な服」が新しい正装に。素材も防水・防シワ・ストレッチなど”高機能”が重視されます。従来の価値観では考えられなかったストレッチ素材のスーツや防水・撥水のシャツなど新たな機能を盛り込んだアイテムも注目されています。

 

キーワード「レトロ・フューチャリズム」

不安定な未来への反動で、”かつての理想の未来”を再構築したいというノスタルジックな逃避願望が表れています。時代を逆行したようなスタイルを好むのもこの意識の表れかもしれません。

 

キーワード「ジェンダーレス」

LGBTQ+の認知拡大と共に、性別の枠を超えた表現が主流に。ブランドも「誰でも着られる」ユニセックスなアイテム開発が進行中。また、サイズレスなアイテムなどもトレンドに取り込まれています。

 

キーワード「レイヤードスポーティ」

パンデミック以降のカジュアル化トレンドが残る中、「だらしなくないリラックス感」を追求した結果のスタイル。スウェットやフーディーといったリラックスフィットのアイテムが常用される中でどのようなスタイル差を出すのかもテーマになっています。

 

トレンドその3 カラー・素材系

キーワード「ソルベカラー」

世界的に不安定な時代において、「癒し」「軽さ」「ポジティブさ」を象徴するパステル系が支持されています。特に春夏のSNS映えにも最適。爽やかさを求める時代背景が色濃く出ているのでしょう。

 

キーワード「メタリックアクセント」

テクノロジー×ファッションの融合や、Y2Kの再燃が影響。キラキラ素材で”非日常”を楽しみたい気分の表れ。また、これに合わせるかのように異素材のアイテムの組み合わせもキーワードとして注目してみるのもいいでしょう。

 

 

トレンドその4 カルチャー・ムーブメント系

キーワード「コアファッション(〇〇コア)」

TikTokやInstagramでのマイクロトレンド拡散が要因。BalletcoreやGorpcoreなどは“ライフスタイルの世界観”を表現する手段になっています。

 

キーワード「クラフト回帰」

AIや大量生産の時代にあえて”手仕事”への敬意が高まり、「人の温もり」や「一点物」の価値が再評価されているため。

 

 

 

トレンドファッションというキーワードをひとくくりにしても、このように時代や世の中の流れ、大衆の気持ちや政治情勢、など複雑に構成されているのがファッションの世界なのです。これらのトレンドキーワードを自分なりに紐解いて、自分のファッションに投影してみてください。