視察地4:サイアムパラゴン|ハイブランドと家族向けエンタメの融合

サイアムパラゴンは、BTSサイアム駅直結という好立地にある高級ショッピングモールで、ハイブランドからエンタメ施設までを備えた複合型商業施設。富裕層やインバウンド観光客を主要ターゲットとしています。

視察ポイント

テナント構成とブランド力:エルメス、ルイ・ヴィトン、グッチ、ディオールなどのハイブランドが集結。ユニクロやH&M HOMEもあり、日本とは異なるブランド価値の見え方に気づきがあった。

顧客層と購買行動:来訪者は富裕層家族、若年層、観光客が中心。施設全体にSNS映えを意識した装飾があり、幅広い層に対応。高級ゾーンでは多言語対応の接客が行われていた。

接客スタイルとサービス:スタッフはフレンドリーかつ丁寧で、多言語(英語・中国語)対応も充実。特にハイブランドでは、顧客との関係構築を重視している様子が見られた。

学びと気づき

サイアムパラゴンは、施設そのもののブランディング、顧客体験の設計、多言語対応の接客など、日本の商業施設にも参考になる多くの工夫が詰まっていた。地元色が強い「ターミナル21」とは異なり、こちらは「表参道」に似た高級志向の雰囲気が特徴。

 

視察地5:DIOR GOLD HOUSE|ブランド体験型プロモーション

DIOR GOLD HOUSEは、ディオールが期間限定で展開した「ゴールド」をテーマにした体感型ポップアップ施設。ブランドの世界観を視覚・嗅覚・味覚などで総合的に表現し、マーケティングとブランディングの先進事例として非常に印象的でした。

 

主な視察ポイント

ブランド体験の空間演出:内装から照明、香り、ディスプレイに至るまで統一された世界観。商品展示はまるで美術館のようで、販売よりも“憧れ”や“体験”の提供が中心。カフェではブランドモチーフをスイーツに取り入れた演出も。

接客・サービス:カフェ利用は事前オンライン予約制で、予約満席状態。スタッフは丁寧で英語対応も可能。商品説明だけでなくブランドの物語まで伝える「語り」の接客が印象的。フォトスポットも多く、SNS拡散を意識した設計。

顧客層と雰囲気:主に富裕層の女性やインフルエンサーが中心で、購買目的よりも“映え体験”を求める傾向。レストルームに至るまで細部にこだわった空間作りが徹底されていた。

学びと気づき

ディオールは、単なる商品販売ではなく「ブランド価値の体験提供」に重きを置いており、空間・演出・SNS連携を通じてファンを増やす仕組みが完成されていた。現代のラグジュアリーブランドが目指す「話題性 × 体験価値」のモデルケースとして非常に学びが多い視察となった。

 

視察地6:セントラル・エンバシー|ミニマル×超高感度ラグジュアリー

セントラル・エンバシーは、バンコク最大手「Central Group」が手がける超高級志向の複合商業施設。BTSプルンチット駅直結という好立地にあり、ファッション感度の高い顧客をターゲットとした施設です。

 

視察ポイント

空間デザインと建築:白を基調にしたミニマルで高級感あるデザイン。広い通路や高い天井、自然光を活かした空間構成が「静かなラグジュアリー」を演出。

ブランド構成:HERMES、CHANEL、GUCCI、PRADAといったハイブランドに加え、STUSSYやマルジェラなどトレンド感あるブランドも展開。各店舗がブランドの世界観を強く反映し、フラッグシップ的役割を担っていた。KAWSのPOP UPなど文化的イベントも開催。

顧客層と雰囲気:主にタイの富裕層、欧米・中東系の外国人、ビジネスエリートが中心。落ち着いた雰囲気で、若年層やカジュアルな顧客は少なめ。ブランドバッグを持つファッショナブルな女性が目立った。

 

学びと気づき

セントラル・エンバシーは、単なるモールではなく**「ブランド価値を体現する体験空間」**として機能しており、顧客にとってのステイタスやライフスタイルの象徴にもなっている。過剰な装飾に頼らず、信頼と洗練で勝負する“本物志向”の施設設計は、日本の商業施設やブランド戦略においても大きな示唆となる視察だった。

 

 

体験を通じて得た”本質的な気づき”

今回の視察では、「空間設計」「ブランディング」「接客」「チームワーク」の全てにおいて、タイの先進的な商業施設から多くの学びがありました。今後は、これらをクレセントアイズの業務改善やサービス向上に活かしていきます。主要な商業施設(ターミナル21、サイアムパラゴン、ICONSIAM、セントラル・エンバシー)や高級ホテル(マンダリン・オリエンタル)を視察し、消費動向・ブランド戦略・接客文化について幅広い学びを得ることができました。

 

学びと気づき

各施設で体験価値重視の空間設計が徹底されており、日本の商業施設にも応用可能な示唆を得た。また、DIOR GOLD HOUSEの体験型プロモーションは、SNS時代の消費者心理にマッチした先進的な手法として印象的でした。また、マンダリン・オリエンタルでは「ホスピタリティの本質」を体感。接客における「心配り」と「一貫性」の大切さを再認識すとともに、現地スタッフの「笑顔」による安心感の提供から、言語を超えた接遇の力を実感することもできました。

 

日々、国内での仕事だけに奔走する日々を過ごしていると見えない世界観や感じることのできない世界の進化について体感できました。これを今後の社内外での仕事び役立てていきたいと思います。