販売員をしていると問われるのが「接客」の質であるのは当たり前のように知られているだろう。そして、永遠の課題として”接客の質”について問われ続けるものだろう。しかし、”接客の質”といっても、そう簡単に体型づけられるものではないし、誰しもが饒舌に語れるものではないだろう。そこには経験とその人自身のパーソナリティも色濃く現れる。

 

様々な業種・業界において接客というものが行われている。例えば、ホテルにしろ、オフィスでの来客時にも同様のことが言えるだろう。では、一般的に販売員という立場で考えた時の接客の質という話になった場合、とてもいい事例として用いられることが多いのがラグジュアリーブランドにおける接客ではないだろうか。

 

今回は上質な接客の例として、ラグジュアリーブランドでの接客に必要な知識について、ご紹介したい。

ブランドの持つ魅力を辿る

ラグジュアリーブランドでの接客に必要な知識の1つ目は、「ブランドの歴史と哲学」ではないだろうか。ブランドの持つ魅力のルーツは、そのブランドの持つ歴史や哲学ではないだろうか。それらについて知識を深めることで、おのずと魅力を知り、再確認し、誇りと思えるようになるだろう。たとえば、「デザイナーの変遷によって、どのように商品が移り変わってきたのか」などの知識については、必須であると言えるだろう。お客様一人一人にとっては、接客をしている販売員そのものがブランドの顔であり、代表だ。その販売員が、ブランドの歴史や哲学について、語ることができないようであれば、それは恥ずかしいことだろう。

 

物を知る

ラグジュアリーブランドでの接客に必要な知識の2つ目は、「商品に関する深い知識」だろう。ラグジュアリーブランドにおける接客では、「お客様がどのような商品を求めているのか」などを察して、商品を提案する場面も多くなる。そのためには、さまざまな状況に合わせて商品を提案することができるように、自社・自店の商品に関する知識を十分に蓄えておくことが必要だ。お客様全員に納得の提案や、納得のおもてなしができるためには必要な知識と言えるのではないだろうか。

 

一般常識も含めた全般の知識

ラグジュアリーブランドの接客に必要な知識の3つ目は、「知識」だろう。これは、自社のファッションにおける知識はもちろんだが、巷のトレンド情報や社会情勢を加味したファッションに関する業界全体の知識なども必要だろう。ファッションに関する知識を身につけることができると、ファッションに対する洞察力が磨かれ、お客さまに提案したいことなどが、自然に芽生えるようになるといわれている。ファッションに関する知識が、お客様との「会話のきっかけ」となることもあるだろう。ラグジュアリーブランドの接客を磨くポイントの1つ目は、「教養や文化的知識を身につける」ことです。

ラグジュアリーブランドにおける顧客層には、「教養の高い人」も多くいます。たとえば、一般教養としての「デザイン」や「色」に関する知識などが豊富な方が少なくない。ちなみに、これらに加えて、「音楽」「映画」「文学」などについては、ファッションとのつながりが強いことも多く、接客時の「引き出し」とすることができるといわれている。

 

気品ある身だしなみと、丁寧な言葉遣い

ラグジュアリーブランドで接客する際の装いとしては、「気品ある身だしなみ」「丁寧な言葉遣い」が求められる。ラグジュアリーブランドの販売員は「看板」として、お客様から見られているため、「高級感漂う服装」や「品格のある言動」を、お客様から期待されていることを思うと高い意識が必要だ。

また、お客様にとって「心地よい敬語」を使用するように、心がけるのをお勧めしたい。接客の際に使用する敬語を想定し、それらを優先的に覚え、普段の接客において、意識的に使うようにするとよいだろう。ちなみに、これらに加えて、「クッション言葉」を使用することをお勧めします。クッション言葉とは、「お願い」や「お断り」をする際に用いられる。

 

語学力を身につける

ラグジュアリーブランドの接客に必要な要素としては、「語学力」というのも昨今では必要だ。世界的なラグジュアリーブランドには、世界中にファンが存在している。したがって、語学力を向上させれば、海外からご来店されたお客様に対して、スムーズに接客することができるでしょう。また、語学力を向上させれば、それを生かして海外における「トレンド情報」などを吸収しやすくなるというメリットもある。

 

ハイセンスな眼を持つ

ラグジュアリーブランドの接客を磨くポイントとして、「ハイセンスな眼を身につける」こともある。日常生活から、幅広く「美」に関するものに触れ、感性を磨くようにすることで感性を磨くことができる。たとえば、「美術館でアート作品を鑑賞する」「美術書を読む」などもおすすめしたい。

 

いかがだっただろうか。意外にも、「もうそんなことは実践してるよ!」という人も多いのではないでだろうか。しかし、改めて自身のことを棚卸ししてみるのも良し、あらためて

再確認してみるもいいだろう。明日からの接客に少しでも生きれば嬉しく思う。