昨今街中でよく聞く「サステナブル」というワード。なんとなくエコで環境に優しいイメージですが・・・いったい何を意味しているのか、あまり慣れない横文字でいまいち詳しくわからないという人も多いのではないでしょうか。しかし、現代のファッション業界においてはサステナブルというキーワード無しでは饒舌に語ることすらできないほど。
今回は、そんな「サステナブル」の意味や、ファッション業界におけるサステナブルがどんなものなのか私たちも日常に取り入れられるサステナブルな取り組みと併せてご紹介します。
そもそも、サステナブルとは?
サステナブルとは英語の「sustainable」=「持続可能な」という意味を持つ単語です。サステナブルファッションとは直訳すると「持続可能なファッション」のことを意味します。ついつい消費されるという印象の強いファッション業界において、ファッションの生産・流通において自然環境や社会に配慮した取り組みのことを意味します。
ファッション業界のアパレル産業においては、生産工程の中で多くの汚染水や温室効果ガスを発生させてしまいます。また、動物の皮(レザー)や毛(ファー)を使用することや、不要になった在庫の大量廃棄など自然環境への配慮が欠けている部分が多くありました。また、生産工程をはじめとして、ファッション消費国の近隣の発展途上国にて低賃金で労働をさせることなども問題視されるようになりました。
そうした問題を改善、解決すべく、2019年にファッション業界における環境負担減を目的とする「ファッション協定」なるものが発表されました。この協定には世界的に有名なブランドやファストファッションのブランドなども署名をし、世界規模で持続可能な地球環境や社会環境のために「サステナブル」に積極的に取り組むようになりました。
アパレル業界においてのサステナブルとは?
アパレル業界におけるサステナブルとはいったいどんなことでしょうか。「サステナブルな取り組み」と言っても、その内容は様々で、企業によって取り入れ方も様々。では、実際にアパレル業界におけるサステナブルな取り組みとはどんなものがあるのでしょうか。
【サステナブルな取り組み①】 動物の皮(レザー)や毛(ファー)を使用しない
高級な嗜好品として多くの富裕層に愛されていたリアルレザー(本物の動物の皮)やリアルファー(本物の動物の毛)ですが、現在では、”フェイク”と呼ばれる人口の皮や毛を使うようになり「フェイクレザー」や「フェイクファー」といったワードが主流となってきました。今では、それらに代わって「エコファー」や「エコレザー」と呼ばれるようになりました。これも、動物の皮や毛を使用していないサステナブルな取り組みの一例なのです。
【サステナブルな取り組み②】 再生利用素材を使用
近年、プラスチックごみによる自然汚染、環境汚染に配慮する取り組みが以前に増して注目されるようになりました。ペットボトルなどのプラスチックを再生させてできたリサイクル素材を使用した製品も世の中に多くリリースされるようになりました。ペットボトルが再生ポリエステルとして使用されるケースも多くあります。
【サステナブルな取り組み③】 完全受注オーダー
完全受注制によってロスのない生産を実現するメーカーも多々出現しました。今までは、市場ニーズや過去の実績を基に「この商品はこのくらい販売できるだろう」という見込みを立てた上で生産を行っていましたが、見込みが外れた場合に多くのロスが出てしまい、焼却処分されていきます。その際に出る有害物質が環境を汚染してしまうという観点でロスを減らす取り組みが行われています。
ファッションを楽しむ側の私たちができること
ファッション業界におけるアパレル産業におけるサステナブルな取り組みについてご紹介しました。ですが、消費者である私たちにできることはどんなことがあるでしょうか。 サステナブルとは、どこか一部の人や企業が行うことではなく、私達一人一人が問題に向き合い、意識的に取り組みを実施することで取り組むことができルのです。
例えば、古着を購入することもサステナブルな取り組みの一つです。古着を購入することは、リユースに繋がります。新品の服や小物類を購入する前に、古着屋さんでお目当てのものがないかチェックしてみるのも良いでしょう。古着には新品の衣類にはない個性や特徴、味わい深い魅力があるので、今まで古着に興味がなかった人もこれを機械に足を運んでみてはいかがでしょうか。
その他にも、いらなくなった服をフリマにて販売するのも一つの手です。ついつい断捨離とかこつけて捨ててしまっていませんか?フリマで他に使ってもらえそうな人にお手頃価格で譲り、新たなオーナーのもとで愛用してもらうことも環境保全の一つとして考えられます。
意外と知っているようで、知らなかったサステナブル。アパレル産業に従事する人はもちろん、ファッション好きの私たちにもできることが沢山あります。これを機に明日からサステナブルな活動に参加してみてはいかがでしょうか。
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