現代のファッションブームに欠かすことのできないキーワードは、間違いなく「古着」だろう。サステナブルなどといった言葉に先導されるように、”古くても良いもの”を追い求める人々が街中に溢れている。ヴィンテージと呼ばれるいわゆる”希少価値の高い古着”は高騰の一途をたどっている。
その古着ブームの再熱の火付け役は、なんといっても80sや90sを中心としたレトロファッションなのは言うまでもないだろう。ハイブランドのランウェイでもここ数年提案され続けている「昔のファッションスタイル」や「昔のファッションアイテム」は”リバイバル”といったテイの良い言葉の領域から遥かに飛び出ており、新たなカルチャーとして存在を確立しようとしている。
ほんの10年前までは、古着コレクターや愛好家、アパレル関係者しか目を向けていなかった古着だが、現代ではファッションアイコンともなる著名人を筆頭に、多くの人が古着に目を向けている。ダボっとしたスウェットスタイルや、ウエスタンスタイルを思い出させるブーツカットのワークパンツ、ボロボロに破けたデニムとヨレヨレのTシャツを合わせたグランジスタイルなど、今の若者にとっての”親世代”が楽しんだであろうファッションスタイルを楽しんでいる。
ムーブメントの背景には「ファッションの変革」といったワードが潜んでいる。
それを象徴するように、90年代を筆頭に様々なブランド、様々なスタイルが生まれていった。ヒップホップを代表とした音楽カルチャーや、ヒッピーといったライフスタイルなど、それらにより根付いたファッションが生み出されていった。今回は現代の新たらしいファッションスタイルとして蘇った90sファッションのスタイルを紐解いてみよう。
カルチャーからみる90sファッションスタイル
90年代に大流行を起こしたミュージックカルチャーとして外せないのは、何と言っても「HIP HOP」と「ROCK」だろう。この時期から、音楽とファッションというカルチャーが密接した関係となっていった。それまでは、相反する二つのカルチャーと思われていた両者がともに手を取り合うことで、その力は世界規模まで波及した。
80年代、ブラックミュージックの発展と共にHIP HOPは発展性のある商業的な地位を確立した。しかし、アンダーグラウンドカルチャーとしての認知が強かった。しかし、90年代に入ると多くのスターが誕生した。
彼らの音楽は、音楽という一つの文化に収まることなく、様々な文化に影響を与えていった。その当時のアーティスト達の人気は映画スターの人気をも凌ぐ勢いで加速していった。そして、彼らのファッションを真似た若者が街中に溢れかえったのだ。
一方、90年代のロックミュージックカルチャーに火の玉のごとく登場したアーティストこそ「ニルヴァーナ」だ。そのニルヴァーナでボーカルを担当していたのが、ファッションアイコンともなった「カート・コバーン」だ。彼のグランジロックファッションは当時の若者を熱狂させただけでなく、後世にも受け継がれていった。
ブランドからみる90sファッションスタイル
ファッションの確変期と共にあった90年代には、多くのブランドが生まれた。従来のファッションスタイルであったトラッドやプレッピースタイルから、より独創的なものが創り出されていった。そして、現代のファッション産業の地盤を作っていったのだ。
ブランドその1「POLO」
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アメリカでのオリンピックの開催に合わせて企画・販売されたアイテムが若者のストリートファッションに取り入れられた。今まで、USトラッドのイメージの強かったPOLOのイメージをPOLO SPORTSが一新したのだ。
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現代では古着として、それを楽しむ人も多いのではないだろうか。また、リバイバルアイテムも発売されており、ブームの再熱を感じさせてくれる。
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また”ポロベア”といったキャッチーでアイコニックなアイテムも人気を博している。キャップやニット帽、パーカーやスウェット、Tシャツなど様々なアイテムにアイコンがデザインとして施されている。
ブランドその2「TOMMY」
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アウトドアやスポーツといったアイテムを中心に人気を呼んでいます。90年代に人気となったアノラックパーカーやパーカー、フロントに大きなロゴのデザインされたTシャツは、カプセルコレクションとして現代に復活しています。
ブランドその3「KANGOL」
KANGOLを一躍有名にしたのが、RUN DMCなのは言うまでもないだろう。今でも人気のメトロハットをオールドスクール調に被りこなすスタイルは世界規模の人気となった。
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現代では幅広いコーディネートに活用され、ムーブメントを起こしている。
スタイルからみる90sファッションスタイル
文化の変容に合わせて様々なスタイルが生まれた90年代。それは、”そっくりそのまま”と言っても過言ではないほどに、そのままリバイバルされている。
スタイルその1「スポーツ」
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アノラックパーカーやトラックジャケットと言ったアイテムに縛られず、adidasやNIKE、FILAと言ったスポーツブランドのアイテムをもタウンユースしてしまうスタイル。スポーティなイメージから都会的な洗練されたイメージに変化した。コテコテのスポーツファッションではなく、デニムなどのヴィンテージアイテムを取り入れることで街に溶け込むことができる。
スタイルその2「グランジ」
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カート・コバーンをアイコンとしたグランジファッションは、”汚れた”などを意味する”grungy”が語源となっています。80年代後半から90年代前半にかけて流行したロック音楽の一種であり、派生したスタイルです。vintageに代表されるような古着、ヨレヨレで色落ちした服の着崩しや重ね着が特徴だ。ただ単にヴィンテージアイテムやダメージアイテムを着用するのではなく、ハイブランドのアイテムや、ハイテクスニーカーとコーディネートすることで清潔感を演出することができる。
現代のファッションカルチャーに大きな影響を与えている「90sファッション」は、様々な形に変わって街に溶け込んでいる。それぞれのスタイルには、それぞれの理由が存在し、それぞれの魅力を放っている。それぞれ、独自の文化的背景がある。それを理解することで、今以上にファッションを楽しめるかもしれません。さあ、あなたは今日、どんなスタイルで街へ飛び出しますか?