アメリカのワークウェアとして誕生して以来、世界中の人々を虜にしてきたファッションアイテムといえば「デニム」ではないでしょうか。”ジーパン”や”ジーンズ”などと多くの人が親しみを込めて、そう呼んでいます。デニムの歴史は古く、現存するデニムで最も古いもので約140年前に製造されたものと言われており、その当時から形状や素材に(小さなマイナーチェンジはあるとしても)大きな変化がなく、現代のファッション産業の中心にいるというのは驚きです。

 

西洋の「洋服」文化が戦後に普及し始めた日本においても、デニムは製造され人気の衣料品となりました。中でも、高い品質を誇る岡山のデニムは、海外からも評価を得ており、日本におけるデニムの名産地として知られています。アメリカ発のファッションアイテムである「デニム」。日本人であっても、人生においてデニムを履いた事のない人はいないのではないでしょうか。

 

そんなデニムですが、扱い方や洗濯方法で頭を悩ませているという声を良く聞きます。

「ジーンズは洗わない方がいい」なんて意見を耳にしたことはないでしょうか?洗濯によるデニムの色落ちが心配だったり、早く着古した感じに履き慣らしたいといった気持ちはわかりますが、ずっと洗わずにいるのはやっぱりNG。汗などの汚れは放置しておくと生地が劣化する原因にもなり、匂いも発生する上に不衛生です。

 

今回はこの季節のお悩み「デニムの洗濯方法」についてご紹介いたします!

 

デニムは洗濯するべし!

もともとは丈夫な作業着として広く普及してきたデニム。上手に洗濯を繰り返し、着続けることで独特の風合いが生まれます。履いている人の生活や個性が出るのも特徴ですよね!大切なのは、履く人自身の好みの状態を維持できるようなデニムの洗い方を心がけることです。洗濯の頻度には決まりはありませんが、「汚れたら洗う」くらいの感覚で大丈夫です。

 

ステップその1 全て閉じた状態で裏返して洗濯機へ

洗濯の際に、まず行わなくてはいけないのが、ボタンやジップを全て閉じた状態にしましょう。ボタンやジップを開いた状態のまま洗ってしまうと、型くずれの原因になったり、洗濯中に金具の部分が擦れて部分的な色落ちを起こしてしまうことも。あらかじめきちんと閉じておきましょう。次に重要なのは、デニムを裏返すということです。表のままだと、洗濯機の中で踊って擦れが生じてしまいます。擦れ即ち、色落ちに直結してしまうのが、ジーンズの一番怖いところですから。なので、ジーンズを洗うときは必ず裏返しにしてから洗濯機を回しましょう。

 

ステップその2 天然系の洗剤を入れる

見た目には汚れが目立たなくても、長く履き続けたデニムにはやはり汗や皮脂が付着しています。特に夏場は匂いも気になります。そのため洗剤を使って洗濯を行いましょう。界面活性剤や漂白剤が入った洗濯用洗剤だと、生地を傷めたり、色落ちさせてしまう可能性があります。そのため、デニムを洗うときは天然系洗濯用洗剤を使用しましょう。「しっかり洗いたいから」と言って洗剤を多めに入れるのはNGです。洗剤の量が多過ぎるとすすぎが十分にできず、かえって生地を傷めてしまうおそれがあります。各洗剤に表示されている適量を入れましょう。デニムの裾など、一部分だけ汚れがある場合は、洗剤を少量つけてから洗濯機に入れましょう。

 

デニムを色落ちさせたくない場合は、桶もしくはタライや浴槽に水をはり、裏返したデニムを入れます。このとき、お湯はNGです。お湯で洗うとインディゴ染料が落ちやすくなるので、必ず水を使用しましょう。色落ちしないようにデニムを洗うには、丁寧に手洗いをする必要があります。また、裏返すことでデニムの表面の縦糸にあるインディゴ染料が流れ落ちるのを防ぐことができます。

 

ステップその3 いつもよりも短い洗濯時間を意識する

デニムを洗濯する際は、5~10分程度で終了する「時短モード」で、いつもよりも短い洗濯時間で洗う事を意識しましょう。デニムは長時間洗い続けると表面のインディゴ染料が剥がれ落ちてしまいます。洗濯槽内での生地の摩擦や劣化を最小限におさえるためにも、できるかぎり短時間で洗濯をすませましょう。

 

ステップその4 洗濯が終わったら乾かそう

乾かす際には、シワを防ぐために縦横方向に軽く引っ張りシワを伸ばしましょう。洗濯が終わったデニムを干す前に、ウエスト部分や膝周りなどを中心に軽く縦横に引っ張って形をととのえます。デニムは形状記憶するものではありません。そのため、洗濯などで強めの衝撃を与えると型崩れします。洗濯後のシャツを「ぱんぱん!」と伸ばすように、デニムも干す前に形をととのえ直すことで美しいシルエットをキープすることができます。

シワを伸ばしたら、直射日光が当たらない場所に陰干しします。強い日差しが変色の原因になるので気をつかましょう。屋外に手頃な日陰があれば、よく風を通しながら干す方が早く乾き、臭いの軽減にもつながります。部屋干しする場合でも、ウェスト部分を広げて筒状になるようにピンチで吊るし、内側までしっかり空気に触れるようにして乾かしましょう。

 

洗濯の時の注意

デニムを洗濯する際は他の衣料といっしょに洗わないようにしましょう!デニムは単体で洗濯するか、もしくは同じ色味や系統のデニムとだけいっしょに洗ってください。特に、白いシャツなどといっしょに洗うと、まだら模様に色移りしたり、うっすらとインディゴブルーに染まってしまうことがあるので避けましょう。

 

また、乾燥機は使用しないようにしましょう。乾燥機を使用すると、ジーンズが極端に縮んでしまったり、形崩れしてしまう原因になります。ジーンズは綿を基本とした自然素材を使用しています。そのため、基本的に自然乾燥させましょう。

 

 

いかがでしたでしょうか。デニムは、デリケートで洗濯の際に扱いづらいと感じていた方も多いのではないでしょうか。これをキッカケに自分らしさ溢れるデニムライフを楽しんでみてはいかがでしょうか!